Tower Collector データベースの自動バックアップ

Mozilla Location Services (MLS) のアップロードデータが一度で正常に行われない現象への対策として Tower Collector 反映漏れ対策 に書かれている手順で
Tower Collector から電測データを「measurements.db」へエクスポートし、MLSへ反映されるまで Import database と Upload を繰り返している方も多いのではないでしょうか。

この繰り返し操作のなかで、Upload してデータが端末内に存在していない状態で Import database 操作すべきところ、誤って再び Export database 操作を行ってしまい、電測データを消してしまうという苦い経験をされている方も多いと思いますので
Google Play ストアからインストールできる「FolderSync」というソフトウェアを使って「端末内の別の場所に「measurements.db」をバックアップする方法」および
「Tower Collector で Export database をタップしたタイミングでバックアップを自動実行する方法」について記します。

本ソフトウェアは有償版が存在していますが、無償版でも実行できることを確認しています。

尚、この設定を行うことで常にバックアップが実行されることを保証するものではありません。特に遠方などの貴重な電測データを持っている場合はバックアップが取得されているかどうか常に確認するようにしてください。

手動バックアップ設定の作成

本項ではTower Collector 反映漏れ対策 で紹介されているのと同じように「Documents」フォルダー内に「MLS」というフォルダーが作成されており
Tower Collector の Preferences > General > Change storage location で「/Documents/MLS」フォルダーを選んで、このフォルダーに「measurements.db」をエクスポートしているものとします。

1. 事前準備として、ファイルマネージャーソフト(Solid Explorerなど)で、バックアップ先のフォルダーを作成します(例: Documentsフォルダー内に「MLS-backup」など)
2. Google Play ストアから「FolderSync」を検索してインストール、ファイルのアクセス権限の設定を行った後で画面右下の「同期フォルダーを作成」をタップします。
3. 「名前」に「TowerCollectorバックアップ」などの名前を入力します。
4. 「同期タイプ」は「右のフォルダーへ」をタップして選択します。
5. 「左側のアカウント」で「SD CARD」を選択し「フォルダーを選択」をタッチして「Documents」内の「MLS」フォルダーを選んで画面右下の「選択」をタップします。
6. 「右側のアカウント」で「SD CARD」を選択し「フォルダーを選択」をタッチして「Documents」内の「MLS-backup」フォルダーを選んで画面右下の「選択」をタップします。
7. 「保存」をタップします。
8. 画面左上の「←」をタップします。

これで、FolderSync を立ち上げて「TowerCollectorバックアップ」の「同期」ボタンをタッチするたびに「MLS」フォルダーの中身が「MLS-backup」に保存されるようになりました。
「MLS-backup」は同期ボタンをタッチするたびに「MLS」フォルダの中身で上書きされます。

続いて、これだけでは満足しない方向けに「Tower Collector で Export database を実行するたびに自動でバックアップするようにする」ように設定します。

Export database をタップしたタイミングで自動的にバックアップが行われるようにする

この手順では、上で示したバックアップ設定に従ったバックアップ操作が Tower Collector で Export database をタップするたびに実行されるようにします。

しかし、誤ってエクスポートすべきデータが存在しない状態で Export をタッチしてデータを上書きしてデータを消してしまう対策として本設定を行う関係上
MLS-backup フォルダーの中身は上書きされるのではなく、現在の日付時刻をフォルダー名としたフォルダーをバックアップする度に(=Export databaseをタッチするたびに) 作成するようにします。
副作用として、MLS-backupの中にどんどんデータが作成されますので、時々ファイルマネージャーソフトを使ってフォルダを削除する必要が出てくることに注意してください。

1. FolderSyncで「TowerCollectorバックアップ」をタップして、設定画面を表示します。
2. 「スケジュール」タブで「スケジュールされた同期を有効」をオンにします。
3. 同期の間隔は「カスタムスケジュール」を選択してください。ただし、曜日や時刻は選択せず次の手順に進みます。
4. 「高度な設定」タブで「インスタント同期」および「同期時刻で命名した新規サブフォルダーを作り、そこにファイルをコピーします」をオンにします。
5. 命名パターンを「yyyyMMdd-HHmm」に変更します(しなくてもよい)
6. 「通知」タブで「同期成功時に通知を表示」を選ぶとさらに安心です(しなくてもよい)

このバックアップデータを使ってデータ戻ししたい場合の手順例

実際にExport操作を誤って実行してしまい、MLSフォルダー内のデータを空データで上書きする事故が発生した場合は、以下のような操作をすることが考えられます。
全自動バックアップ設定の場合は、この事故の瞬間に新たなバックアップが作成されるので、ひとつ前のバックアップを利用してください。

a. ファイルマネージャー(Solid Explorerなど) で「MLS-backup」フォルダー内の「バックアップ日付時刻のフォルダ」内にある「measurements.db」を「MLS」フォルダーに上書きコピーする。

b. FolderSyncで「TowerCollectorリストア」などの名前で「MLS-backup」内の「バックアップ日付時刻のフォルダ」→「MLS」フォルダーへのコピー設定を作って、それを実行するようにする
ただし、全自動バックアップをするようにしている場合は、リストア元のフォルダ名が日付のフォルダ名になっているので、リストアを実行するたびに設定の調整が必要。
全自動バックアップの手順は実施せず、手動バックアップにしている場合は、常に「MLS-backup」フォルダをコピー元にしておけばよいので、この方法が最も有用

c. Tower Collector の Change storage location で「MLS-backup」内の「バックアップ日付時刻のフォルダ」フォルダーを参照して「Import database」する
非推奨:この状態で再度ミスったらバックアップの意味がなくなることと、Import後 再度MLSフォルダーを参照するように Change storage location 設定を戻し忘れると今後のバックアップが機能しなくなる)

ヒント

バックアップ先は、内部SDカード以外にも「SMB接続のNAS」をはじめとして、FTPサーバー、Googleドライブ、Nextcloud などを指定することができます。
うまく利用することで、Rakuten Miniなどの Tower Collector の Import database が正常に機能しない端末から、他のAndroid端末へのデータコピーを簡略化する用途にも使うことができます。


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Last-modified: 2023-01-15 (日) 23:44:36